2024年4月、アトツギ企業であるファイン株式会社(本社:品川区)さまに於いて、約1カ月にわたる訪問研修を行いました。前月に行われた法政大学IM総研ファミリービジネス研究部会セミナー2024で代表取締役の清水直子さんにご登壇いただいたことをきっかけに、「承継後の跡取り娘の奮闘を見に来てはいかがですか?」とお声をかけていただきました。

ファイン株式会社さまは、昭和48年(1973年)に歯ブラシの専門メーカーとして設立され、昨年、創業50周年を迎えた長寿企業です。初代社長であるお父様が前身の若松産業株式会社から歯ブラシ部門を分離独立させて創業し、2代目社長がお母様、そして清水直子さんが3代目社長として事業承継されたファミリー企業です。

先日のセミナーでは、女性後継者として家業を継いだご経験をお聞きして、まだ数少ない「跡取り娘」の成功事例のモデルケースとしてファイン株式会社さまをご紹介させていただきました。

そこで、今回の訪問研修では事業承継後の実際のところを見せていただきました。事業承継は承継手続きが終わったら完了ではなく、そこからが本当のスタートです。

女性後継者はどのようなことに悩み、どうやって乗り越えているのか。日々、奮闘している姿を追いました。

研修初日、「急によそ者がお邪魔して迷惑にならないかな…」と緊張しながら訪問。そんな心配をよそに、清水社長をはじめ、スタッフの方々が温かく迎えてくださいました!

社内はとても清潔に保たれており、スタッフのお昼用にと玄米ご飯を炊いておいてくれるなど、清水社長の心配りがあちらこちらに散りばめられていました。しかも、綺麗なトイレが3つある!

女性スタッフが多い職場だからこそ、きめ細かい配慮がされていると感じました。

コーヒーかすでコンポストを作り、ベランダで家庭菜園もしています。

四方良しの循環型ものづくりに積極的に取り組まれていることがこんなところにも感じられました。さすがです!!

そして、一番知りたい女性後継者の悩みどころ。

それぞれの企業の状況で違うとは思うけれど、きっと「売上と人事」であることは共通。

私が訪問していた期間には、清水社長は新しい販売チャネルを検討したり、産休明けに戻ってくるスタッフを受け入れるための体制を整えたりしていました。他にも経理の引継ぎマニュアルを作れないか、営業方法に課題&解決策はあるだろうか、資金調達は適当か…など、多くのことを同時に考えているご様子でした。

そんな清水社長が現会長であるお母様から事業承継をした際、アイディアマンで新商品開発を得意としていたお母様のように、画期的な商品を作り続けられるかが不安だったといいます。

口腔内介護ケア用品やベビー・キッズ向けの歯ブラシ、化学物質過敏症の方も使える生分解性樹脂製の竹の歯ブラシなどの既存商品に加えて、今では受託製品の開発ができるようになり、かつて外注だった複合樹脂の製造を事業譲渡してもらい内製化するなど樹脂事業の柱を作りました。

さらに、本社や工場の電力を再生可能エネルギーの電気を取り入れてSDGsへの取り組みも積極的に行っています。

今回の1カ月にわたる訪問研修を通して、事業承継後の女性後継者がどのような悩みを抱えているのか、ファミリービジネスだからこその悩みどころを実際に感じることができました。

そして、スタッフの方への思い、承継した会社を存続させる覚悟、地域・社会への取り組みなど、色々なことを聞かせてくださった清水社長をはじめ、従業員の立場から見た会社への思いから育児のことまで、楽しくお話ししてくれたスタッフのみなさん、本当にありがとうございました!!

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当社では、法的な手続きだけに終わらない、メンタル面も含めた事業承継サポートを行っています。

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